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2011年1月の読書月報 [読書月報]

年初の目標で「月5冊は本を読む!」と決めたので実行しています。
書かないと忘れるので、今月から「読書月報」なるものをつけることにしました。

●ガガガ文庫「とある飛空士への恋歌 5」 犬村小六
ラノベでは最近あまり見ない、恋愛と戦争(それも空戦)をテーマにした作品。
作者の前作「とある飛空士への追憶」からずっと好きで読み続けていましたが、
この巻で堂々完結。ネタバレになるので多くは書きませんが、この巻ではそれまで
パイロットの卵たちの命をかけたやりとりと、その狭間のささやかな学生生活を
描いていましたが、一気に「大河ドラマ」として突き進むことに。期待していた
展開ではありましたが、「ああ、これでこの物語は終わるんだなあ」とはっきり
したときは寂しいものがありました。それでも時折描かれる、ミツオの墓標での
チハルの姿にやはり耐えられなくなります。主人公たちにあまり感情移入しなかった分、
まわりの愛すべきサブキャラたちに「死なないで」とエールを送ったのを思い出します。
前作キャラとの絡め方がさりげなくて良い。空戦の描写は、私ももちろん実戦を
体験したことはないので想像するしかないのですが、旧日本軍のパイロットなどの
文献を参考にされたようで、対空砲火の中を巨艦に向けて急降下する様子や、弾着観測の
様子などは、手に汗握るものがありました。急降下爆撃機や夜間戦闘機、偵察機
(もう今は存在しない機種ですね)好きの私としては、こういう地味な機種に
光をあててくれたのはありがたかったです。丸2年の長いシリーズだったので、
冒頭からもう1回読み直してみたいです。

●講談社文庫「永遠の0」 百田尚樹
職場の大先輩が「泣けてしょうがない」と言っておられたので調べてみると、
ちょうど文庫が発売されたのと(私はスペースの関係と、持ち歩けないので基本的に
単行本は買いません)、零戦をテーマにした作品、ということで買ってみました。
書店のベストセラー棚なんて、何年ぶりにのぞいたかなあ。
中身は、零戦が生まれてからの戦史(日中戦争~太平洋戦争)と、特攻で戦死した
亡き祖父を追い続ける、私と同世代の姉弟の思いを軸に描かれます。
「臆病者・卑怯者」と「温厚・凄腕」の両方の顔を持っていた祖父の姿にとまどいながら、
祖父の死の瞬間に迫っていく様子は、時間を忘れて没頭してしまいました。
でも私は「泣ける」作品ではなかったかな。私が子どもの頃から、図書館にあった
戦史や図鑑を読みまくっていて、強烈な「既視感」に襲われたからかも。
まあそんな人はこの作品を手に取った中にそんなにいないだろうから、一般的には
「泣ける」作品という評価でいいのかもしれませんね。特筆すべき点は、並行して語られる
戦史のわかりやすさ。どうしてもイデオロギーが入り込んでしまうところなのですが、
筆者はつとめて冷静に戦争の起きた原因~軍部の行動~敗因まで描ききっていたと思います。
眠たくなる教科書よりよっぽど頭に入りますよ。

●NHK出版生活人新書「小惑星探査機はやぶさ物語」 的川泰宣
この週末に上京して国立科学博物館にいくので、少し前に買っていたのを引っ張り出して
読みました。JAXAの広報担当をされていたベテラン科学者の方が、この方しか知り得ない
「はやぶさ」プロジェクトの内部の様子を、(良い意味で)少し引いた視点で描かれています。
私もツイッター&ユーストリームの実況に参加し、「はやぶさ」の最後をリアルタイムで
見送った一人ですが、どうしても大気圏に突入し燃え尽きていく、あの鮮烈で胸打つシーンに
目が行きがち。この本は、「はやぶさ」が着陸した小惑星「イトカワ」の名前の元となった、
糸川英夫博士(陸軍の戦闘機「隼」や「鍾馗」の設計に関わり、戦後はロケット開発の第一人者と
なった方)のもとで学んだ筆者が、計画立案~打ち上げ~探査のミッションを克明に、
ときに予算や政治のことなども絡めて書きます。「直接開発、ミッション遂行にかかわった
人だとこうは書けないだろうな」とうなずくところ多数。大人数がかかわる巨大プロジェクトと
いえども、メンバー一人ひとりの創意工夫がないと、決して成り立たないのだということも、
まざまざと見せつけてくれます。自分はこういうスキルが一番必要だなあ、と思います・・・。

●岩波ジュニア新書「戦争と沖縄」 池宮城 秀意
これも研修旅行で沖縄に行くので、その予習にと思い読みました。
30年以上前に出された本ですが、そのときの沖縄の状態から何ら変わっていない
(むしろ経済や教育格差はひろがり、基地負担は増している)現実に愕然としました。
「高校生の修学旅行の前に読んでほしい」というコンセプトで書かれた本ですが、
初めて行く身としてはこれくらい分かりやすい方がよかったので助かりました。
文中でも描かれた、海軍陸戦隊の壕や、嘉数の丘とそこから見える普天間基地を
実際に目にしたときは、何ともやりきれない気持ちにさせられました。

●岩波新書「「ふるさと」の発想―地方の力を活かす」 西川 一誠
昨年末、地域を巻き込むかたちでイベントを行った人間として、今後の方向性などについて
模索しています。そんなとき書店で見つけた一冊。筆者は現職の福井県知事。「知事」と
いうとあっちこっちで何かとお騒がせな方々が多いので、手に取るまでは半信半疑でしたが、
目次と序文を読んで、地に足をつけた感じの本だったので購入しました。
福井県、というと子どもの体力や学力が向上している、ということで最近有名ですが、
お隣の京都に住んでいるのに、こんなにも知らないことが多かったのかと、富山に行くとき
いつも素通りの私には恥ずかしい限り。「地方をどういう視点、考えで捉えるのか?」
私も東京ほどではありませんが、都会に住む人間です。心のどこかで、「都会が稼いで
地方を支えている」という考えがあったのかもしれません。そこをグサグサと突かれました。
水や農作物などあらゆる資源は、地方の人たちの努力がなければ、都会に供給されることは
決してない。「自然が多くていいところだ」「料理とお酒が旨い」と思っているだけの
都会人ではいたくないなあ、富山や北陸地域で末永く活動していこうと思っている人間には
良い薬になった1冊です。福井県にお住まいのみなさんの実感もあわせて聞いてみたいです。

●AC BOOKS「映画館のつくり方」 映画芸術編集部
普段あんまり映画を観ないのですが、Amazonのレビューでたまたま見かけ購入。
主に地方で独立系ミニシアターを経営しておられる方たちのインタビュー集です。
地方での映画館・文化のはたす役割や、苦闘しながら地元の映画ファンと協力し
経営を続けておられる関係者の方々。ファンや地元から声をあげて、画一化されつつある
映画文化(シネコンの影響はつくづく大きいですね)に新たな選択肢を提示する・・・
地方で何かしようと思ったとき、もっとも難しいのは「続けていくこと」。
福祉や教育と違って、別になくても生きていける。そんな困難な状況でもめげずに
経営を続けられる(めげている方もおられましたが・・・)みなさんに敬意を表したいです。
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